米国のスタートアップと社内弁護士

TechCrunch に Why Startups Hire Their Own Lawyers という記事があった。

ここでの their own laywers というのは企業内弁護士のこと。Foursquare や Zendesk、Kickstarter といった著名スタートアップを含む、多くのスタートアップ General Counsel (法務責任者)へのインタビューを元にして書かれたもの。

日本語の翻訳記事が見当たらないので、ここにポイントをかいつまんでご紹介。

  • 最初のインハウスの雇用:好ましい弁護士像は、4年から10年ほど実務経験があり、スタートアップを依頼者とする、幅広い分野の企業法務を経験している弁護士。これに対し、いつ弁護士を雇うべきかは必ずしも明確ではない。法律事務所の請求額が30万ドルを超えた頃という者もいるし、会社の規模を挙げる者もいる。
  • スピード重視:概ね正しいであろう今日の回答は、明日のきちんとした回答に勝る。多くのスタートアップのGCは、直感の重要性を強調。
  • ツール:"Google is great. Friends are better" ある弁護士は、いまや回答はインターネット上で見つけられる、むしろ、決定すべき事項はそれを探す時間を費やすべきかだ、という。他のGCとつくるネットワークを挙げる者もいる。訴訟はすべて外注、割ける時間や経験が限定される事案も、法律事務所の助けを得る。
  • CEO との関係:単に no というだけでは、そのうち会話にも入れなくなる、no という言葉をボキャブラリーから除いている GC さえいる。また、ある GC は、法的助言を顧客というフィルターにかけるという。「彼はお客の動向を読んでいる」という社内評が得られたなら、法的助言も持ち出し易いと。

これが日本の法律事務所に参考になるかというと「?」だし、インターネット業界のスタートアップの話なので、企業内弁護士でも、業界や企業の発展段階によって環境は千差万別だろうけど、誕生・躍進・衰退のサイクルがとても早い業界で、しかも最も初期の段階を過ごしている GC の実感として貴重な資料。内容も、とても興味深い。