2013-01-01から1年間の記事一覧

日本法と日本語の法律実務

半年ほど前に、タイムラインで、法学と翻訳と他言語(主に英語)について話が盛り上がっていた。その際に感じたことを少し整理し、備忘のために残しておきたい。そうして振り返ってみたところ、長期的な視点にたつと、日本語を母語とする者として、日本法と…

感想:吉村昭『ポーツマスの旗』と契約交渉

数多くの作品を読んでいる訳ではないが、好きな作家の一人に吉村昭がいる。この作品は、ときの外相小村寿太郎が全権大使として臨んだ、日露戦争のポーツマス講和会議を取り上げている。 当時、日本は日本海海戦で歴史上でも稀にみる完全勝利を手に入れ、国民…

法律事務所の弁護士とインハウス・カウンセル

日本でも昨今、企業内弁護士が増えつつある。日本企業の法務部に就職する新人弁護士や、法律事務所で数年実務を積んだ後に留学後のタイミングで外資系企業や総合商社のインハウスに転じる弁護士も珍しくない。 今日、ご紹介したいのは、Santa Clara Universi…

専門スキルとその他のスキル

クーリエ・ジャポン 11月号に、ヤフーの安宅さんによる「これからのビッグデータ時代に必要とされる人材の条件とは」との記事があった。 記事後半で「専門スキルに依存しない」と題するお話があって、印象に残ったので少しご紹介。 私は、スキルは「基礎スキ…

自分自身のリストラクチャリング

週末、心にグサリと突き刺さった一言。広瀬隆雄氏のMarket Hackより。 昔のギョーカイの人々のゴシップを聞くにつけ感じることは、自分を何度もre-inventingすることの重要さです。なぜなら産業や企業の浮沈より、自分の生涯の方が期間が長いからです。 これ…

IT法務:シリコンバレーのプロダクト・カウンセル

「IT法務」という言葉に接した。これは結構多義的な言葉のようで、例えば、デジタルやオンラインのサービスと著作権の問題だったり、プロバイダ責任制限法関連の領域だったり、あるいは、システム開発契約の交渉や契約後の紛争を指していることが多い。その…

法学生向け お薦め本リスト

少し前に法学部生、法科大学院生、司法修習生向けに、この夏のお薦め本を連続でツイートしたので、それを簡単にまとめました。 1. 山本祐司氏『最高裁物語』 著者は、毎日新聞で長く司法記者をされ、日本の司法と最高裁判所を観察し続けてきた山本氏。戦後の…

専門職としての落ち着き

最近、週刊モーニングに連載されている「コウノトリ」という漫画を毎週心待ちにしているのだけど、今週、印象的なフレーズがあった。 主人公は産科医、場面は彼が若き研修医だった頃の回想シーン。深夜、他に正規の産科医がいない中、突発的に被膜児のお産が…

グーグル型コンプライアンス?

元のNBLの座談会記事をみていないので、本当は何とも言えないのだけど、山口利昭弁護士のblog記事「グーグル型コンプライアンス経営は日本企業に根付くのか?」をみて、正確にはその標題の「グーグル型コンプライアンス経営」をみて、ふと感じたことが一つ。…

感想『インテル戦略転換』

インテルのCEOだったアンドリュー・グローブの『インテル戦略転換』。原題は "Only the Paranoid Survive"「パラノイアだけが生き残る」。この原題からして至言だと思うけど、これに限らず他にも頷いてしまう言葉が山ほど。 以前、何かの折に読みたいと思い…

blog 始めました〜

今さら感満載ですが、、、Twitterの140文字で書ききれないことをサラっと残すため、blog 始めました。 弁護士ブログで主流の本格的に何か調べて書くという方向ではなく、自分のための軽めの備忘録といった感じです。例えば、本や論文、ニュースを読んだとき…